日付が変わろうとする時間帯。整備員が居なくなった第7ケージに二つの人影があった。 暗い周囲に溶け込む影のバックには、巨大な兜のような輪郭が朧気に浮かぶ。ただ存在するだけで威圧感を感じさせる風格。鬼神と恐れられたエヴァンゲリオン初号機である。 既存するエヴァシリーズで唯一S2機関を内蔵された機体。アンビリカルケーブルなしで半永久的に稼動できるので、場所を選ばずに活動することができる。初号機の最大の強みだ。零・弐号機は電源なしでは長時間稼動することはできず、内臓電源に切り替わるともって数分。下手すれば戦闘中に沈黙することもありえる。 だが、半永久的に活動できる初号機は、それ故に危険視されているのも事実だった。 確かに味方としては頼もしい限りだろう。だが、もし、敵に回ったとしたら? 零・弐号機ならば、反旗を翻したとして、電源供給を絶てば数分で押さえることができる。その時間の短さが枷となって、彼らの離反を防いでいると言えよう。 初号機の場合、その対策として爆弾が埋め込まれ、遠隔操作でコアを破壊する。使徒と同様、EVAの急所は胸部のコアである。コアの真後ろにエントリープラグが通っており、コアを破壊されるということは、エントリープラグも同様の末路を辿ることになる。 それほどに初号機を恐れており、しかしその力を欲しているのだ。 諸刃の剣。 まさに初号機に相応しい名ではなかろうか。 「いつ見ても慣れませんね、この初号機には」 無精髭をさすりながら、影の片方が呟いた。 もう片方は答えを返さないが、内心では同じことを考えていた。できれば使いたくはない。だが、それで自らも滅びてしまっては、元も子もない。生き残るためには手段を選ばない。それが人間だ。 戦争に生き残るために兵器を生み出し、殺す。生きるための殺しの兵器とは皮肉なものだ。 「もし初号機が暴走したら――――――なんて、考えはしないんですか?」 「そのための首輪だ」 「コアの爆破。確かにそれで搭乗者は死亡するでしょうが……S2機関も考慮されているんですか?」 コアを跡形もなく消し去らないと安心はできない。僅かでも機能していれば、辺り一面がディラックの海と化す可能性がある。一瞬の発動で半径数キロメートルが消えてしまうのだ。文字通り、逃げる暇もありはしない。 「……それでも、アレを使用しなければならない事態になったのだ」 世間には公にされていない事実。各国は対OOパーツ戦闘で深い傷を負っていた。特に欧州方面では目も当てられない状況だった。民間の被害が少ないのは幸いだったが、軍事施設や人員の被害が大きすぎだ。 自国の守りが薄くなったところに、他国からの攻撃を心配する声が高まり、中東では険悪なムードが漂い始めている。ただでさえ疲弊している軍隊で攻める愚行はしないだろうが、ちょっとした軍事行動や発言に神経質になりすぎていた。特に核を保有する国々では、トチ狂った狂人が発射スイッチを押すのではないかと冷や汗ものである。 国連の停戦令に表面上は従っている各国。しかしその腹の底では、いつ戦争が始まってもおかしくはないと、全ての軍人が確信していた。 「OOパーツという人類共通の敵が存在する。だというのに、人間同士でも争いを始めようとする……頭の悪い連中ばかりだ」 「ですけど指令。もし日本が戦争を吹っかけられたとしたら、『今は戦っているときじゃない』なんて言えますかね? 恐らく無理でしょう。戦自は確かに弱体化していますが、他の陸海空は未だに健在です。売られた喧嘩は買うつもりでしょう。なんたって、その為の自衛隊なんですから」 自衛隊。その名から分かるように、日本という国家を守るための集団である。非核三原則を提唱する日本が、武力を有するのは自衛のためであって、戦争をするためではない。取って付けたような言い訳だ。しかし国家を名乗る以上、丸裸でいる訳にもいかない。 中立は敵を作らず、同時に敵を作りやすい。 日本は大国の元で尻尾を振る、一応、中立国なのだ。 「まあ、日本の戦力は陸海空の自衛隊の他にジョーカーを持っていますからね。デカい面をしやすくなってるでしょうし」 その“ジョーカー”、エヴァンゲリオン初号機は、LCLから顔を出しつつ、瞑想するかのように沈黙をしていた。人造人間であるEVAは、中心が素体という生体部品でできている。使徒を模しただけあってATフィールドを張ることも可能だ。初号機は“リリス”のコピーとされ、“オリジナル”に限りなく近い“複製品”である。 S2機関を内臓し、まさに一騎当千。いや、単機で世界さえも滅ぼしかねない危険極まりないものだった。 兵器のカテゴリーに属される以上、自我はなく、乗り手の意思によって使用される。 それが、問題であった。 「……呼んだのは他でもない。シンジのことだ」 「……」 初号機専属のパイロットたるサードチルドレン。碇シンジの考え一つで全てが動く。巨大な力。有り余る力。個人には大きすぎるものだった。 かつては制御しやすいチルドレンが選ばれた。つまり、精神的に未成熟な子供たち――――――確固とした意思を持たず、僅かな衝撃で壊れてしまうような。 自分の意思を持たないファーストチルドレン、綾波レイ。 エースパイロットであり続けるという脅迫概念を背負わされたセカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレー。 他人を恐れ、同時に望んだサードチルドレン、碇シンジ。 だが、扱いやすかった彼らはもういない。それぞれが確固とした意思を持ち、自らが搭乗者として意識している。無理やりに乗せられた訳じゃない。嫌々乗っている訳でもない。 すでに、鎖は断ち切られているのだ。 「他組織につながりはない、と、以前報告したはずですが?」 「承知している。危険視しているのは内部関係だ」 加持は眉をひそめ、先を急かした。 「分かっていると思うが、シンジは現在、赤木博士と同居している。その赤木博士と組めば、NERVの裏をかくのも不可能ではない」 「――――――赤木博士を疑っている、と」 鋭くなった声に気づいたゲンドウは、「ふっ」と、軽く鼻で笑う。薄暗いケージの中で、二人の会話だけが響いた。 初号機を睨み、口の端を吊り上げる。 「何を勘違いしてるか知らんが――――――」 自嘲するように、彼は言った。 「私は他人など、元から信じてはいない」 「まあ、当然でしょうね」 「監視の強化だけなのが不思議なくらい。私なんか権限を剥奪されてもおかしくはなかったのに」 シンジが苦笑しながらパンにバターを塗る。香ばしい匂いに誘われて、猫2匹+蛇1匹がやって来る。彼ら専用の容器にキャットフードとトースト(ヌル助だけ)をよそってあげると、わき目もふらずに食べ始めた。 二人がテーブルにつく。あとから目玉焼き持ってアスカもそれに続く。 「どうしたのよ、二人とも。朝から真剣な顔しちゃって。ん、アリガト」 シンジからトーストを受け取って、アスカは苦い顔をして聞く。 爽やかな朝食の時間に、仕事の話は極力避けたいものだった。仕事とプライベートを完全に別物とする彼女にしてみたら、朝の朝食は一日の始まり、重要なファクターである。それなのに物騒な話をされたのだ。機嫌も悪くなる。 もふもふと一心不乱に口を動かすアスカ。 シンジは監視の強化がされたこと、ゲンドウに不審を持たれていることを話した。聞き終わったアスカは、口の中のものを飲み干し、「なんか今更よね」と、呟いた。 確かに、そもそもシンジをサードチルドレンに復帰させて初号機に乗せること事態がおかしいのだ。 経緯はどうだったにしろ、碇シンジはサードインパクトを起こした。世間に知られたら、間違いなく命を狙われる。ゼーレの老人たちが隠れ蓑になっているからいいものを。現に、報復を恐れた彼らの親族は皆、行方を眩ましている。指名手配には登録されていないのに、自ら逃げていったのだ。 そして、赤木リツコ。 <約束の刻>直前、ゲンドウと心中しようとして失敗し、撃ち殺されている。帰還した後に拘束されても不思議でないのに、何事もなかったように技術部に籍を置いている。リツコの頭脳が惜しかったのか、それとも単に気にしていないだけなのか。どちらにしろ、利用価値があると思われて泳がされていたのは間違いない。 だから戦自と接触した今、拘束されても不思議ではないと考えていたのに。 対応は監視の強化だけ。通告もなければ連絡の一本もない。あまりにも軽すぎる対応に、かえってこちらが不審に思えてくる始末だった。 「……規格外のOOパーツが攻めてくるかもしれない時期だから、戦力は減らしたくなかったんじゃないの?」 ナプキンで口を拭く。ナイフとフォークを手に取り、目玉焼きへと狙いを定める。 「いや、それ以上に僕たちは不安要素だと思う。規格外が現れる前にコブを取っておくのが指令のやり方だし」 「だったら他に理由があるの?」 「……副指令、かな」 リツコも同じことを思ったようで、納得したように頷いた。 「私とシンジ君が拘束されたら、必ず副指令の耳に入るでしょうね。ただでさえ霧島マナのことで参ってるから、息子まで拘束された、なんて聞いたら卒倒しかねないわ」 どこか嬉しそうに――――――というか、その光景を想像して、いい気味だわ、と笑った。アスカはちょっと腰を引きつつ相槌を打つ。足元のアレキサンドリアとユナリシアが危険を感じ毛を逆立てる。 シンジの頭の上に上ってきたヌル助が、まだ食い足りないと「しゃーぁ」と鳴いた。 「妻思いというかなんというか。普通、そこまでする?」 「アナタが言っても説得力ないわよ、アスカ」 そう? そうよ。間髪居れずにリツコ。 「NERVの人間は有能だけど、精神に異常があるのが多いから。私を含めて、ね」 「……まあ、否定はしないわ」 基本的にシンジ以外は知ったこっちゃない、なんて考えているアスカが同意する。同じようにレイとゲンドウはユイ至上主義で動いているし、冬月も似たような感じだろう。だが彼の場合、どうしてもというほど執着してはおらず、できる範囲でユイを思っている節があった。その証拠に<約束の刻>、ゲンドウを行かせ、彼は発令所に残っている。 部下たちが不審に思わないための措置だとはいえ、ゲンドウならばそんなことお構いなしに飛んでいくはずである。 「でも、リツコは精神に異常があると思えないけど……?」 もしかしてマッドな部分なトコ? マジな顔で聞くアスカに、顔を引きつらせながら「違うわよ」とチョップをかます。金髪を痙攣させて呻き声を上げる物体を無視し、リツコは残ったトーストに手を伸ばす。 少し冷めたそれを見てため息をつく。「ヌル助、食べるかしら?」「バクっ」手に持っていたはずのトーストが消えた。 「……」 「……」 残像さえも見えなかった。 「まったく。食い意地が激しいんだから……」 「ヌル助、葛城さんみたいだったよ?」 某作戦部長は不思議生物であって、四次元腹(えびちゅ限定)とか、部屋散らかしスキル『S』とかを持っているらしい。そのせいで加持は掃除洗濯炊事、家事スキル『B+』を習得したとかなんとか。 「痛たた……」復活したアスカが顔を上げる。 首をコキコキと回し異常を確かめ、こちらもため息を吐く。朝からなんか疲れてしまった。 「でも、実のところはどうなのよ? アタシはシンジのため。レイたちは顧問のため。だったら、リツコは何に執着してるのよ」 もしかしてシンジかな、と、内心不安になりながら問う。 「自分よ」 「え?」 「だから、自分。私は私であるために――――――今度こそ、赤木リツコとして死んでみせるわ」 前回は途中退場なんて馬鹿なことをしてしまった。そんなのは赤木リツコらしくはない。最後まで残り、終焉を見届け、それがなんであるのか考えるのが彼女の在り方なのだ。 だから狂う。 自分らしくあるために狂う。 最後まで見届ける。ただそれだけのために生き続けるのだから。 「……マッド」 「黙らっしゃい」 めきょ。金髪に手刀がめり込んだ。 校舎に入ったシンジは、日直の仕事があると言って職員室に向かった。一人になったとたん寄ってくる虫を適当に流しながら、アスカは教室を目指す。 二年生の教室は三階にある。中だるみの激しい学年だから少しは苦しめ、と、なんとも理不尽な理由から決まったらしい。誰よそんなこと決めたのは。内心毒づくのだが事実その通りで、テストの平均、授業態度共に二学年が最低だった。本人たちは気づいていないようだが、三年生になってようやく、『ああ、俺たちもこんな時期があったんだなあ』と、我が物顔で廊下を歩く後輩を見て思うのだ。 教室に入ると、主に男子から速攻で挨拶を受ける。一応、社交儀礼で返しておく。一般常識だ。 それから嫉妬というより同情の念がこもった挨拶を女子から受ける。なんだか泣きそうだった。だって女の子だもん。 「おはよ、ヒカリ」 「……え、あ。おはよう、アスカ」 「どうしたのよ、なんか元気ないじゃない」 「そうかな?」 明らかにどんよりオーラを発しているのに、これで元気に見えたら視覚障害か何かだろう。 「……言いにくかったら言わなくてもいいけど。いつでも相談しなさいよ?」 「ええ。ありがとう」 アスカとヒカリの席は近く、お喋りをするにはちょうどいい距離である。さすがに授業中は無理なのだが、こうして人が少ないときは、それぞれ席に座りながら会話ができる。もっとも、欲を言うなら隣同士が望ましかったのだが。 鞄を机の上に置き、教科書を出す。 置き勉を良しとしないアスカの鞄は普通に重い。教科書にノート、問題集に課題のプリント。紙類も集まれば洒落にない重量になる。塵も積もればなんとやら、と言うように、男子でもヒイヒイ呻く重しと化すのだ。 特に今日は五教科の全てが時間割に入っている、<ブラックデー>だった。勉強嫌いの生徒は仮病やら登校拒否やらをしてバックれるのが当たり前な日である。 授業を真面目に受けているアスカも、今日ばかりはやる気が出なかった。 「そういえば、さ」 思い出したように顔を上げる。 「あれからどうなったの、コモドオオトカゲ」 「……コモドオオトカゲ?」 一瞬何それ? と首を傾げ、もの凄い勢いで元に戻る。下手すれば首の骨が折れそうな勢いだ。 そんなに焦らなくてもいいじゃない。なんて思いながらも、そんなに大変なんだ、と同情する目でヒカリを見る。きっと、忘れたいくらい大変なのだろう。 「う、うん。凄い大食いでね、食費が馬鹿になんないのよ」 「あー、分かる分かる。ウチのヌル助だって、明らかに自分の質量以上も食べるし」 「そうなんだ」 ホッとした表情で頷く。 「ウチの仔も凄い食べるのよ。どこに入ってくのか分からないくらい」 「ふうん。なんか似てるわね、その仔とヌル助」 ああ、ちなみに『ヌル助』が名前ね、と、付け足す。 「ま、ヌル助は普通じゃないからだろうけど」 「普通じゃない?」 「そうよ……って、言ってもいいのかしら?」 「いいんじゃない?」 と、後ろから声がかかる。 用事を終えたシンジだった。アスカたちの話の最中に、ちょうど通りかかったようだ。「おはよう、碇君」「うん、おはようございます」ペコリと頭を下げるヒカリに、こちらこそどうも、とシンジも続く。 僅かに呆れながらその様子を見て、アスカは苦笑した。本人たちは、あれはあれで気に入っているのだろう。 挨拶を終えた頃合を見計らって声をかける。 「で、さっきの話なんだけど」 「うん。別に機密でもないし、構わないと思うよ」 『機密』という言葉に反応して身を硬くするヒカリ。シンジは笑いながら、「そんな大したことじゃないですよ」「そうそう」アスカも続いて言った。 「ヌル助は、OOパーツだって、それだけですから」 「OOパーツって、あの“OOパーツ”?」 ニュースを見る者ならば、一度は聞いたことがある単語。世界各国で出現し、“第二の使徒”なんて呼ばれている怪物の名称だ。ヒカリはOOパーツがオカルト臭くて信じられなかった。だが実際に被害が出ているとなると、信じない訳にもいかない。 しかも先日には日本にもOOパーツが現れ、街が二つほど消えているのだが、民間には情報が伏せられていた。パニックを起こさせないための措置である。 OOパーツ最大の問題は、『いつ、どこに、どうやって現れるか』がまったく分からないことである。現れなければ行動のしようがなく、常に後ろ手に回ることになる。そうなれば被害が馬鹿にならない上、避難など始める暇さえないだろう。ならば混乱を招く情報提示を避けるに越したことはない。 幸い、今回は政府も絡んでいるので、捏造にはさほど苦労はいらなかった。正式に表明された声明には、例えマスコミだからと言って文句をつけることはできない。もし、いちゃモンをつけてくる輩がいたとしても、特例措置で拘束できるのだ。それほどまでに事態は緊迫していた。 民間には知らされずに、世界は危機に瀕していたのだ。 「OOパーツはOOパーツでも、悪くない種類なの。細菌だって同じでしょ? 善玉とか悪玉とかあるんだし」 感心したようにヒカリは声を上げた。忘れがちだが、この友人はあのNERVの技術部員なのだった。普段は普通の女の子だから気にもしないのだが、こうして専門的な話をされると今更に実感できる。 白衣姿のアスカを想像して、中々似合いそうだとヒカリは思った。 「ヌル助は善玉なの。だから無害認定されているし、殲滅の対象になっていない。それどころかシンジの役に立っているくらいなんだから」 「偉いのね、ヌル助さんって」 「……アイツに、『さん』付けってかなり合わないのね。いま実感したわ」 本人(?)に聞かれたら噛み付かれそうな暴言を吐くアスカ。 「兎に角、ヌル助は不思議生物だからゴハンも一杯食べるんだけど……ヒカリのオオトカゲは単に大食いなんでしょ?」 「え、ええ」 「洞木さんってオオトカゲを飼ってるんですか?」 「ええ――――――って、なんでバラしちゃうのよ、アスカ!」 うわーん! と、今にも泣きそうな声で抗議をしてくる。冷や汗をかきながらアスカは弁明を試みることにした。 だが一向に聞き入れてもらうことはできず、普通に謝ってその場は丸く収まった。アスカがヒカリに「るんな」で奢るという条件付で。 「トカゲの背中に乗ったイインチョ、ですか。クスクスクス」 「というか聞いたことあるようなあだ名!? なんでそうなるのよ、ねえ、ねえ、ねえってば!」 必死になってシンジの肩を揺さぶるヒカリをなだめながら、シンジは淡々と言った。 「まあまあ、落ち着いてください――――――トカゲの背中に乗ったイインチョ」 「トカゲの背中に乗ったイインチョ」 間髪置かずにアスカが反復する。『トカゲの背中に乗ったイインチョ』クラス中がリピートした。 「寄ってたかって私を虐めるのね・・・・不潔だわ」 何が不潔なのだかよく分からないのだが、とりあえずヒカリはそう呟いた。 ■ 第二十五幕 「私だけの神様」に続く ■ |